阿利枝

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【あいまいな空】

 日が傾き、夜の気配が近づく頃。遠くに見える空が不思議な色合いを帯びて、魅せられることがある。赤、青、紫、単純な色の名前では言い表せないような雄大で神秘的な光景。その一部を切り取って、写真の中に収められたら――と思うタイミングはだいたい運転中である。山中、カーブ、ゆとりのない道幅。帰宅ラッシュの最中に路肩に停めて悠長に撮影、なんてできるはずもなく。
 最も美しいベストポジションを通り過ぎ、しょんぼり岐路を辿るのはまあ、お約束だったりする。

6/14/2024, 12:15:38 PM