ジャングルジム #2
私はジャングルジムさんが好きだ。
もちろん、恋愛的な意味で。
周りには、「ジャングルジムのことを好きになるのは、おかしい」とよく言われる。
ジャングルジムさんは、高いししっかりしていて、とてもかっこいいのに。
どうして、周りは私の気持ちを理解してくれないのだろう。
私は中学生の頃、母に病院に連れてかれた。
私のジャングルジムさんに対しての気持ちはおかしいの?と私はその時思った。
私は医者から「対物性愛」と診断された。
医者によると、対物性愛は病気では無いらしいが、人間や動物などの生物ではなく、物に愛情を抱き、性的に惹きつけられるセクシュアリティのことらしい。
対物性愛の対象は、おもちゃから家電、建造物など様々だとか。
母はその医者の話を聞いた後、対物性愛を治す方法はないかと必死に医者に聞いていた。
やはり、母は私がジャングルジムさんのことを好きになるのはダメだと思っているんだろうか…。
*****
時は経ち、私は高校生になった。
もちろん、今でもジャングルジムさんのことを愛してるのだが、母を安心されるため、好きでもない男性とお付き合いをしている。
私がジャングルジムさんのことを裏切っているように感じて、毎日が苦痛だ。
世の中は私を受け入れてくれない。
どうして…、どうして…、わたしがこんな思いをしなきゃいけないのだろうか。
いっそ、私が死んでしまえば…、この苦しみから解放されるのか?
私はそう思いながら、紐を輪っかに縛り天井にぶら下げるて、自分は台に乗り、自分の首を紐の輪っかに通す。
そして、台から足を離す
『バイバイ、大嫌いな世界。大好きなジャングルジムさん…。』と思いながら、私は最後に涙を流すのであった。
ーfinー
9/23/2023, 4:11:56 PM