柳絮

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あなたがいたから


いつも私は2番目だった。
注目も賞賛も喝采も、私には届かない。スポットライトの外で、輝くあなたを見ていた。

いつも私は脇役だった。
自分の持てる限りを尽くしても、あなたは軽々とそれを超えていく。私は引き立て役でしかなかった。

いつでも私は努力した。
血の滲むような思いで、誰よりも。他の全員が諦めても。私はいつでもあなたに挑み続けた。

「だから逃げないでよ」
私があなたに追いつくまで。追い越すまで。




相合傘


「入る?」
雨を眺めていたら、左上方から声をかけられた。
「え、」
「傘忘れたんでしょ?」
見上げると同級生が首を傾げていた。
「え、いや、悪いからいいよ」
「俺と相合傘は嫌?」
「や、嫌っていうか」
相合傘なんて言われると急に照れてしまう。が、問題はそこではない。
「身長差を考えて欲しいっていうか」
「……あー」
190近い彼と150の私では、一緒に入っても絶対顔から濡れる。間違いない。
そのあと2人で雨宿りした。

6/23/2023, 8:27:12 AM