わさび。

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今年の春、吹奏楽部群馬県大会があった。
不安でいっぱいの部員。顧問も心配そうだった。
初めて立つステージは怖かった。緊張した。ステージ全体に広がる金管楽器の金属の匂い。本番だという実感が湧く。お客さんがこちらを見る。心臓の音が聞こえる。指揮者が指揮棒を振り、部員が一体となり美しい曲を奏でる。ただただ、お客さんにいい曲を聞かせてあげたい。そう思った。
演奏が終っても音は反響していた。やりきったという達成感、反対に上手く演奏をできたのかという不安。複雑な気持ちだ。
結果発表の時。皆、息を飲む。結果は1位だった。自分は正直1位は取れないと思っていた。後悔しかなかった。しかし「1位」と聞き、後悔が消えた。良かったと思えた。
今は首都圏大会に向けて練習している。あの時の後悔をバネに今も吹き続ける。

3/12/2023, 11:16:01 AM