雪夜(高校生)

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やっと長い戦争が終わった…やっと……終わったんだ……

我が国は勝ったんだ…人々は勝利をたたえ満面の笑みを浮かべている…

この戦争で僕は最後まで生き残った…

人々は傷だらけとなった兵士たちを褒めたたえたが……
戦場から帰ってきた兵士の顔はとても暗かった……

まるで死人のように……

軍服には誰のものか分からぬ返り血がついている……


僕たちが見たあの光景は一生忘れることはないだろう……

今でも僕の脳裏にはしっかりと張り付いている……

人の心などない戦場で……

ひたすら走って攻撃をする兵士が次々と倒れていったこと………

岩の裏に見知らぬ人の死体があったということ……

先輩が目の前で涙を流して撃たれたこと……

一番の友が僕をかばって動かなくなったこと……

自ら死を選んで自害するものがいたこと……

僕自身が命乞いをする敵を撃ったこと……

子供も大人も関係なく戦わなければいけなかったこと…

あの場所はこれまでにないほど残酷で悲しくて…

何もなくて…

言葉にできないほどの場所だったことを…

僕は一生忘れないであろう……

多くの人々が国同士の戦いに巻き込まれていたことを………

この意味もない馬鹿げた戦争に怒りを覚えたことを………

大切な人を失わなければいけなかったことを…………

言葉にできないこの感情はなんだろうか………

なぜ罪もない人々を死へ追いやられなければならなかったのか……

なぜ人々は私達人殺しを褒めたたえるのか……………

なぜ人々は今も戦うことをやめないのかということを…………

僕が感じているこの気持ちはなんなんだろうか………



4/11/2023, 2:32:26 PM