かなえ

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小3のとき、幼馴染に鉛筆のキャップを盗まれた。2年後、その友達から遊びに誘われた。彼女の家に行くと、自転車の鍵をなくしたと言い始めたから、一緒に探した。どこを探しても、結局見つからなかった。5時が近づき、彼女は探してくれたお礼に、どれか1つあげるよ。と10個ほどのキャップのストックを差し出した。そこには、あのとき盗まれたものが入っていた。私は迷うフリをして、じゃあ、これにする。と言ってそのキャップを取った。帰り、彼女は私を家まで送ってくれた。その帰りに、あのキャプはあなた自身のものだよ。と言われた。私は、そうだっけ、昔間違えて持って行っちゃったみたいな?と誤魔化した。そんな感じ。と彼女はいった。その翌日、彼女から手紙をもらった。そこには、鍵はおもちゃ箱の中に入っていたと書いてあった。おもちゃ箱は何度も探したはずだった。
今はそれから6年経つ。あのときのおもちゃ箱の中には、過去に遊んでいたであろうプリキュアやいないいないばあのおもちゃがいくつも入っていた。小学校5年生の子が、そのような物で遊ぶことはあるのだろうか。鍵を、そのおもちゃ箱に入れてしまうことはあるのだろうか。今考えると、すべて彼女の計算だったのではないかと思う。彼女の心には、キャップを返したいという思いが少なからずあったはずだ。

7/6/2023, 12:55:10 PM