イルミネーション 皆が騒ぎだすキリスト様のお誕生日の近い週に寄ったカフェの前にドドンッと言う音が聞こえてきそうな程主張された紙が貼り付けてありそれに目をやった彼女が『これ見てみたいなぁ...』なんて輝いた瞳でイルミネーションのチラシを指差す。そんな君が僕は堪らずに愛苦しかった、「しょうがないなぁ...最後だから一緒に行ったげるよ。」そう興味なさそうに僕は言った、だが、君は僕が喋った途端にはしゃいでいた。食事を済ませいざイルミネーションを見に行ったら君は子供よりはしゃいでいた、鼻歌を歌ったりステップ踏んだりとても幼稚に見えた、だがとてつもない田舎に住んでいた彼女には都会の大きなイルミネーションは外人が初めて納豆と対面した時と同じくらいの衝撃だろう。それからイルミネーションが消えるまで2人で踊るなり歌うなりぎこちないワルツを踊った、周りの雑音はやがて曲になり人の視線は快感に変わった通り過ぎる人は皆、彼女と僕2人のステージの脇役に見えた。踊り疲れた僕たちはベンチに腰を掛け眠りについた。
12/15/2023, 8:19:57 AM