たまには手鏡を取り出して
自分の顔を見つめてみる
そして心の中で問い掛けるんだ
『ねぇ、鏡の中の僕。
鏡の中での僕も現実の僕と
同じように君を喪っているのかい』
返事はない、当然だ。
しかし返答の代わりに
手鏡をずらし
君の座って居た場所を映す
…そこにもやはり
君は、居なかった。
映された手鏡のなかには
現実と同じく
もはや、主を失った
小物達がうっすら
埃をかぶっていた。
僕は無性に悲しくなり
手鏡をもとあった場所に戻す
過去の記憶の住人に
なってしまった君を
思いながら…。
#鏡
8/18/2022, 10:43:18 AM