ゆきむる。

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私の日記帳は、

酢のにおいがする。

中学生の時、色々な意味で暗黒でそれはそれは痛々しい表現で生々しい心のうちを書き殴った。

酢で。

酢で書けば人に読まれないからだ。

数十年経って人並みに普通に暮らしてる今、炙り出して読もうという気もないのにいまだにそれを捨てられない。
何を書いたかはあまり思い出せないけど痛々しいほどに心のうちを隅々まで書くなんてできなくなった私にはもったいなくて捨てられない。


だけど、なんの役にもたたないお酢くさいだけの白紙のノートが机の奥底にあり続けたことが何度か私の心の支えになった時があった。


ここまできたら棺桶に入れてもらう。
火葬の時一瞬だけ文字が浮かび上がるかもしれない。



-お題『私の日記帳』146

8/26/2024, 12:14:45 PM