月見 うさぎ

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「ないものねだり」
あれ欲しい!これ欲しい!
妹がいつものように親にねだる。
親は、「仕方ないわね」とか言って、買ってあげる。
意味わかんない。イラついて親に聞いた。
「ねえ、なんで私には買ってくれないの。私も欲しい。」
「あなたはお姉ちゃんなんだから我儘言わないの」
は?4歳ながら、嫌な言葉だと思った。
お姉ちゃんだから我儘言わない。何回言われたことか。もう、諦めるしかないのかな。
私だって欲しいものあるのに。妹ばっかりずるい。

10年後
「ねえ、お母さん。欲しいものあるんだけど。」
そう言うと、何と疲れたように母が言う。
「私も疲れてるんだから、我儘言わないの。」
いっつもいっつも妹ばっかり。
いい加減にして欲しい。腹が立ってブチ切れた。
「いい加減にして。昔から妹妹って、うるさいんだよ。私ってなんなの?そんなに妹が好きなら、私なんて産まなきゃ良かったのになんで産んだの。こんなだったら、生まれてこなきゃ良かった。」
今考えると、何言ってるんだこの人ってなるようなセリフ。だけど、私は耐えられなかった。
全て言い終えると、母は一瞬困ったような顔をしてから、真剣な顔になって言った。
「あなたに聞いてほしいことがあるの」
「何?今更言い訳とかいらないんだけど」
「実は、、、」
そこからの話は衝撃的すぎてあまり記憶に残っていない。でも、自分が何が欲しかったのかは今でも覚えてる。


私、妹が欲しい。あの妹みたいな妹。
あの時の妹は私が小学一年生の時に事故で、、、

3/26/2024, 11:40:09 AM