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影子「…」
私は今、好きな先輩がいる。その人はまるで太陽のよう。
私なんかが近づいていい相手じゃない。
いつも通り、裏庭の木の下で読書をしていると、先輩が来た。
────私の好きな先輩が。
先輩「どーした?影子ちゃん」
影子「…」
先輩「なんでも言ってごらん?…後輩が泣いてるのなんかほっとけないだろ?」
影子「…」
なんだ。先輩には見えてたんだ。私のこと。
影子「…実はっ」
先輩「うん」
影子「…クラスの香川さんから嫌がらせを受けてて…っ、それで…」
先輩「うん」
先輩は、たまに返事をしながら私の話を聞いてくれた。
─────ああ、やっぱり先輩はこんな影のような存在の私を照らしてくれる太陽だ。

8/6/2023, 10:55:35 AM