汚水 藻野

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「これで、もう_」

「"終わりにしよう"、なんて言おうと思いましたか。」
崩れて槍だけになった神殿。姿を現したのはこの地を救った英雄であった。
「………これはこれは、英雄様じゃないですか。ご苦労様ですね。」

「終わりにしようとしましたか。私を倒して神と邂逅しようとしたのですか。私に、勝てると思いましたか。」

「…随分と強気ですね?まあいいでしょう、…始めますか?」

「唐突ですが、物語が始まる定義とは、なんでしょう。」
「…はい?急になんです?」
「物語には、必ず主人公がいて、始まりがあって、終わりがあります。"次"の相手がいなければ、主人公は"一般人"と変わりません。

ありがとうございます。

私に倒されに待ってくれて、私の物語を進めてくれて。」

「…こんのクソ餓鬼…ッ、!!」

言葉とは裏腹に、泣いて腫れた目でこちらを見据える。
その表情に、恐怖すら覚えた。

_2023.11.28「終わらせないで」

翡翠の話。知らなくても読めます。pk?
少し前の季節の方が美味しかったかな、ぎんなん。

11/28/2023, 1:51:43 PM