花散里

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 目が覚めると、外はまだぼんやりと暗かった。

 まだ寝ていたい自分としては損した気分。朝活がもてはやされる昨今だけど。

 仕方がない、景色でもみるか、と窓を開ける。生ぬるい風が吹き込んでくる。それでさらに憂鬱になる。

 遠くに見える建物の、そのまたさらに遠くの方がじわじわと明るくなり始める。だんだんと鳥の声も増えてくる。昨日あった出来事をお互い共有しているのだろうか?

 人の気配はまだ感じない。この世界に鳥と私しかいないみたいで、少し愉快な気分になった。

 また朝がやってくる。


「目がさめると」

7/10/2024, 11:27:33 PM