言葉知らず

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繊細な花が、かつてそこには咲いていた。
あの瓦礫と死体の中で、確かにそこに咲いていた。
今はもう忘れられたが、確かにそこに咲いていた。
ソレを履帯と半長靴がグシャリと踏み超えて進む。
泣く声も朗報にかき消された、戦災の花。

6/25/2023, 1:14:02 PM