ペンだこ

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高校の入学式の日。私はあなたに恋をした。
それから1年半。誰よりも、ずっとあなたを見つめていた。

あなたがどんな風に笑うのか。
あなたの好きなものはなんなのか。
あなたのことならなんでも知りたくなった。
あなたが困っていると手を差し伸べたくなるの。

そう、これが恋。










「いや、それストーカー」
「世が世ならそうだったかも」
「今の時代がアウトだわ、このバカ」


「坂本くんのことが好きで、止まらなくなっちゃうの」
「いや、相手が気づいてたらドン引き案件だからね」
「大丈夫。私物には手をつけてないもの。坂本くんの使い捨てのつま楊枝なら持っているけど」
「今すぐ捨てろ。大馬鹿野郎」


「ぐすん。捨てなくたっていいじゃない」
「捨てるわ。速攻捨てるに決まってるから。あとヤバイことしてないでしょうね」
「坂本くんが脱いで置いておいた制服のボタンが取れかかってたから直してあげたの」
「普通にホラー案件」
「ホラーじゃないもん。置き手紙に『ボタンつけました byこびとさん』て書いたから、こびと案件だもん」
「そんな案件生み出すな」


「あ、坂本くん」
「なんかボタン触って話してるわね。あんたが気持ち悪いって言ってるんじゃない?」

『気づいたらこびとさんがつけてくれたんだぜ。スゴくね!!』

「坂本アホか!!!!」

4/9/2024, 12:46:02 PM