まさか最後の最後が山登りになるとは思わなかった。
事前に地図で場所は確認していた。
一キロメートルはない距離だからと簡単に考えていた。
まさか目的地が小さいながら急勾配の山の上とは。
高低差のことを完全に失念していた。
二次元の地図の罠に嵌ってしまった。
平面では三次元の地形までは掴めないのだ。
やってしまった。
ここまで来たなら、もう登るしかない。
自分で自分にキレながらも、息を切らせて登ること小一時間。
日帰り一人旅、その旅路の果ては、瀬戸内海を一望できる山の上にある戦争遺跡だった。
コンクリート造りの廃墟を前に、息を何とか整えてから立ち尽くす。
ここだ。
ここであの人は、曽祖父は亡くなったのだ。
自分のルーツを辿る旅。
その一つのゴールがここにあった。
お題『旅路の果てに』
1/31/2026, 11:32:09 AM