眼球が風の冷たさを感じて涙を出した。 泣いているわけではないのに頬を伝うそれはやけに静かで、まるで冬の空気そのものがこぼれ落ちてきたみたいだと思う。 吐く息が白くほどけていく。 わたしは、それを、何度も見送った。 あの人が来ないこと。 それを、確かめている。 身体の底まで染み付くような寒さに、自身を抱きしめた。 ー 寒さが身に染みて
1/11/2026, 11:42:49 AM