雪本惺月

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桜散る頃
浮き足立った幻想は
夜明けのネオンと共に消えて
冷え切ったコンクリートの河川敷には
死んだ花びらが転がっているだけ

ハイボールが美味かった
透き通った夜は終わり
今あるのは
何でも照らして白日のもとに晒す
隠すことのできない太陽の朝
日陰者の天敵である

路地裏の喫茶店に隠れて
薄暗い店内の中
珈琲を注文する
リトルシガー・フォルテを取り出して
石が死にかけのZIPPOで火をつける
自由な時間は終わったのだと
咳き込みながら理解する

明滅する高速道路のハロゲンライトが
私の命を表している

4/18/2026, 8:35:17 AM