空が泣く空が泣いている。私の代わりに泣いている。「傘忘れたの」うん。隠し持った折り畳み傘をギューッと握りしめる。「ふーん」うん。逃げるように相槌を打つ。大切にされたい。私が君を大切にしてるように。いつの間にか君は先を歩いている。「あんさ、傘、入る」少し先の君が言った。「うん!!」雨の中を走って君に追いついて、張り付いた前髪を払って、少し泣いてしまった。それでも君は、私を好きじゃないから。
9/16/2023, 4:31:42 PM