司書になりたい人間📖🖋️

Open App

【お題】踊りませんか?

暖かな明かりがともる談話室。
2人掛けのソファーに並んで座り僕と彼は2人きりなのもあって少し甘ったるい空気を漂わせなが会話に花を咲かせていた。

今、この談話室には僕ら以外に誰もいない。

「踊りませんか?」
突然、彼にそう誘われて驚いた。

「え?君、踊れるの?」

「あー……えっと……」すると彼は狼狽えだした。

普段は涼しい顔をして上品な仕草の彼がオロオロする姿は少し面白い。というか可愛い。

「大丈夫かい?なんで突然『踊りたい』なんて言い出したの?」

「踊りたいじゃありません。『踊りませんか?』です」

そんなに違いがあるのだろうか?

「貴方が……」

「僕が?」

「貴方が楽しそうに社交ダンスの話をするから……」

嗚呼、なるほど。

「やきもち?」

「……そうですよっ!貴方が楽しそうに彼らとの社交ダンスの話をするから……!」

僕が趣味で参加している社交ダンスの活動にいるメンバーは主に彼の友人達だ。だから余計に嫉妬心が沸くのだろう。

「可愛いね」






【続きます】

10/4/2022, 6:38:16 PM