どっかの若者

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「どーした」
「ん?」
「なんかあった?」
「ううん、大丈夫!」

「誰にされたの?」
「なにがー?」
「隠してるつもり?」
「…だって」
「だって?」

また、莉久が俺を守って、また莉久が…

「なんで泣いてるの…?」
「やっぱり、やっぱりなんでもない」
「…はぁ、顔の傷、やったの誰」
「こ、これ…は自分で…」
「言って」
「岩田…さん、」
「ちょっと行ってくる」
「行かないで!」

なんでそんなに怒ってるんだよ…

「岩田に伝えたいことあるからさ」
「なんていうの…?」
「内緒」
「俺も行く。」
「あー、わかった」


「あ、ふたりともー笑なんの御用?」
「あのさ、もう終わりにしようよ」
「莉久ちゃんいきなりどーしたの?笑もしかしてそいつのこと守ろうとしてる?だったらやめとけよ!守る価値ねーぞ」

「そ…うだよね…笑」

分かってるよ。自分が1番。
莉久みたいにイケメンじゃないし、運動神経良くないし、頭悪いし、弱いしさ。誰も守れない。
俺なんていない方がいいかもしれないな。

「おいおいー笑
莉久ちゃん♡よそ見してる間に朔ちゃん死んじゃうよー?笑」
「は?ふざけんのも大概に…」
「見てみろって笑」

「莉久、俺もう終わりにするね!今までありがとう。楽しかった。」

「おまえさ…あほかよ。」
「離してよ…」
「絶対離さない」
「お願いだから」
「じゃあ俺も一緒にここから落ちるよ」
「は…?」
「朔が死にたいって言うなら俺も一緒に死ぬよ。離さないって言ってんだろ」
「それは…だめ、」
「なんで?俺の自由でしょ。」
「だめだよ…」


「朔…死なないで欲しい…」

そんなふうに泣かれたら、悲しくなるじゃん。

「莉久…お、俺さ、生きてる意味…ある?」
「ある」
「でも俺がいると莉久が…」
「…お前さ、ほんとむかつくよ。なんでいままで俺がお前を守ってきたか全然理解してねーじゃねーかよ。自分が何をしたらどうなるかなんて分かってんだよ最初から。んな子供じゃねんだよ。承知の上で朔についてんの、朔より大切なものなんて俺には…俺にはないんだよ、」


今まで莉久がどんな思いで…
おれ、全然わかってなかったな。

「ごめん。」
「生きてる意味あるとか一生聞くなよ」
「うん」
「はやくおりてきて」

莉久がどれだけ俺に気を使ってくれてたか今わかった。


「朔、学校行くのもうやめよっか。」
「え、?」
「朔の両親も俺の親も、説明すれば理解してくれると思うよ」
「そうだね」
「バイトしよ。2人で」
「いいね」
「俺から離れないでね」
「うん!」

学校とか友達とか考えるのなんてもう終わりにしよ…
どうでも良くなってきたし
莉久だけを見て生きていこ。
そう決めたから
決して道を外さないように。

7/15/2023, 9:49:24 PM