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君の部屋に来ると優しく迎え入れてくれた。
何も聞かず、ただそばにいてくれた。
君は紅茶を淹れに席を立った。
ケトルとマグカップを二つ持ってきて再び俺の隣に座る。
「落ち着いた?」
完全に元に戻ってはいないけど。
「うん、ありがとう。」
その間もずっと背中をさすり続けてくれている。
ケトルが音を立てた。
「早いね。」
「すぐ沸くやつだからね。」
マグカップにお湯を注ぐ君。
どれがいい?と尋ねながらティーバックを広げる。
昔から紅茶好きだもんな。
一つ選んでマグカップに入れる。
優しい名前の呼び方。
「ずっとここにいるからね。」
君みたいに優しく紅茶の香りが漂い始めた。

10/27/2023, 3:08:08 PM