ところにより雨
最悪だ。雨が降るなんて。
今日に限ってニュースを見なかった今朝の自分を心の中で恨みながらも父に連絡した。
「もー、このままだと塾に遅刻しちゃうじゃん。」
すぐに既読の付かない父にイライラしてしまう。
父に怒りをぶつけても仕方がないのに。
はあ、と小さく息を吐き上から降り注ぐ雨を眺めていた。
下駄箱には私一人。外の空気が少し冷える。
ぼーっとしていると後ろの方から声が聞こえてくる。
男女の親しげな声。聞き覚えのある声。
嫌な予感がして、私は振り返らなかった。
必死にスマホを見ているフリをした。
そんな私の横を、男女が通り過ぎる。
やっぱり。元カレの和也だ。
もう彼女できたんだ。付き合ってた時から好きだったのかな。
スマホを握る手にギュッと力が入る。
二人は私に気づかず、相合傘をして雨の中を歩いていく。
周りは雨で、ジメジメしていて、暗いのに。
なのに、あの傘の下だけはまるで晴れのように明るく見えた。
私には降り注ぐ雨の中、二人の背中をただ黙って見送る事しかできなかった。
3/24/2026, 10:30:42 AM