NoName,

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I'll write it later.
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私が魔王に命がけの仇討ちを挑む旅に出て、既に5年がたっていた。お金を稼ぎ、武器や装備を手に入れるのと平行して武闘家に頼み込み最低限の武術を習得するため訓練と体力作りに明け暮れた。

旅先の見知らぬ人にまで「年頃の娘が」とか「俺が魔王を倒してやるから嫁になれ」とかふざけたことを言われたが、そういう奴に限って未熟者の私でも簡単に倒せたので、気にはならなかった。
「一矢報いるどころか近寄れもしまい。」師匠はそう言って、嵐がこようと訓練を休ませてはくれなかったし、私も当然だと思って日々の鍛錬に励んだ。

父さん、母さん、もう少し待ってて。
たとえ魔王に殺されたって、父さん母さんの悲しみと私の悲しさを魔王にわからせてやるんだから。



お題「嵐が来ようとも」

7/30/2024, 3:46:24 AM