県外ナンバーの大型トラック1台だけが
静まり返った街中を走っている
誰も待っていない対向車線の赤信号と
もの寂しげに下を向く青白い電柱街灯が
煌々と光っていた
空は一層深い濃紺の果てとなり
今まさに燃え尽きようとしている
もうすぐ朝がやってくる
夜が最期の力を振り絞って役目を終えようとしている
濃紺にさらに藍を混ぜ合わせたような色彩を放ち
夜空は音もなく染み渡るように広がっていく
今日の中で1番深い色になったあと
とうとう夜は力尽きてしまった
すん、と一陣の風が吹き
その風に流されるように
濃紺はゆっくりゆっくり白んでいく
朝のお出ましだ
9/13/2022, 12:55:42 PM