外に見える景色はとても
色鮮やかで眩しくて
澄みわたる空気は美味しくて
車の騒音ですら心地よくて
季節の移り変わりさえも美術館のようで
弾む会話は映画のようで
一日の流れはゆっくりで
時に救急車の音に萎縮して
嫌な想像を打ち消して
自分も
回りもいい方向にいくと
願わずにはいられなくて
重い空気を煙草のように吐き出す
場所に不似合いな会話を
すれ違いざまにしてみたり
自分よりもみな前向きで
救われたのは私の方
この部屋を出る時
私は胸を張る
そう決めたのは
部屋からの様々な景色──
(2023.08.02/病室)
8/2/2023, 12:52:13 PM