緩やかな坂道を下って、右手にある道。
新しい家が建って無くなった、小さな道。
学校の脇を通り抜ける秘密の小道。
もちろん、別に近所に住んでる人は当然知っているし、どこにでもあるありふれた道だったんだろうけど。
私にとっては秘密基地みたいな通り道だった。
秘密の小道から見下ろす、体育館。
夕方4時、学校帰り。
響くホイッスルと、扉からチラリと見えるユニフォーム。
少し息を詰めて、ゆっくり歩いて、そうして、ほら、ボールがバウンドして。
今日も部活に勤しむ君を、こっそり横目で捉えるのです。
誰にもバレずに君を盗み見れる、特別な場所。
君がいたからこそ、私にとって秘密の小道だったんだよ。
#あなたがいたから
6/20/2023, 10:23:11 AM