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お題 星空の下で

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 辺り一面藍色に包まれる。


箱庭のように狭くみみちく感じる街の海岸を、
毎日同じようになぞって歩く。

当たり前に足跡は消えているけれど、それでもここ、と決めた場所に足を置いて。

ここよりずうっと向こうの海からやってくるたくさんの水が、、砂浜に寄る波が、
チラチラと煌めいていた。


この時間が1人になって、三年ほどだったと思う。なんやかんや言いながら、この小さな世界から抜け出せない僕を、あいつは笑ってくれるだろうか。

とびきりの笑顔でバカにしてほしい。

そうではないと、真剣に悩んでいるようだから。

この大きな海の向こうで、同じ空の空間の下で、1人知らない国、大きく成長しているのかなって思ったら、

ここにいていいのかなって思えてくる。

星に船を乗せて辿ったら、あいつのすぐそばまで行けるんじゃないかなって。

4/5/2024, 2:31:00 PM