「相合傘」
天気予報では、今日は雨の心配はないと言っていたのに、急に雨が降り出した。
傘を持っていない私は、駅前で雨がやむのを待つしか無かった。
ふと顔を上げた私の目に映ったのは、
あなたと、あなたの傘の下の彼女だった。
「彼女」は、いつもあなたの隣にいるようになった。
周囲の「公認の仲」になっているらしい。
あなたが、ほかの誰にも見せない笑顔で、
あんな風に笑うことを知らなかった。
私も、あなたのことで頭がいっぱいになることがあるくらい、惹かれているのに。
何も出来ない自分が哀しい。
自然と涙がこぼれた。
哀れな私は、まだやまない雨を見上げるしか無かった。
6/20/2023, 7:07:57 AM