★夢と現実★
それは本当に、怖いくらいに幸せな時間だった。
私はその幸せに心を預け、身をゆだねた。
あぁ…このまま時が止まってしまえばいいのに……。
ふと…目を開ける。
ーーなんだ、夢だったんだーー
あなたの声も、抱き締めてくれた腕の強さも、温かさも、全部ハッキリ覚えてる。
ちゃんと覚えてるのに……
目が覚めればそこにあなたはいない。
途端に切なさに押し潰されそうになる。
どうして…どうしてあんな夢を見たんだろう。あのまま目覚めなければ良かったのに……!
痛いよ。
突き付けられる現実は、どんなナイフより痛くて泣きたくなる。
残酷な現実と温かな夢……もしも逆ならどんなに幸せだっただろう……。
12/4/2023, 11:23:54 AM