ぺんぎん

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君、頬を這いだす金魚のような赤を掌でないまぜにしたの
蜻蛉の声が喉をなぞって胸のあたりに辿り着いて
目眩のなかでちいさな蜘蛛を靴音と躙ったあの日みたいで惨めで
行きつく場もない雨が閉じこもった部屋の片隅に飲み込まれていく
射し込んだぬるい血の味がぽつり、また鼓動がどくりと喚いた
まだ此処の通り雨に溺れていたくて

8/7/2022, 1:43:25 PM