白に塗れた青春

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お姫様のように育てられた深窓の令嬢…
「なーんてのは夢な訳で!」
ずごー、っと音を立てて紙パックのオレンジジュースを飲み干す。
「現実なんてのはこんなもんだよねー!!」
「なぁにサキやさぐれちゃってんの」
ゴミ箱に空になったパックを投げ捨てると友人のトモが背中をバシバシと叩いた。
「そんなにフラれたのがショックだった?」
「だってさぁ!アイツ、私と別れて、!あの名家の!!お嬢様と付き合ってんのよ!?!ありえない!!!」
「まー、そんなもんでしょ。」
恋愛経験が豊富であるトモはどこか老成しているようにけらけらと笑う。
「そんなもんって…私にとっては、初めての…彼氏だったのに…」
「あーもー、泣かないの!もっといい人は居るからさ!」
そんなことを公園で話した帰り道。
ふと目の前を飛んでいた蝶が花に止まった。
私はそっと蝶に近づき、その可憐な羽をむしり取った。
「…ざまぁみろ、」
蝶よ花よなんていうけれど、生きていく力が本当にあるのはどちらか。

8/8/2023, 10:38:51 AM