MISOYAkI

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『太陽』

ぼくは君が嫌いだよ。教室の真ん中は君が動くたび変わる。君を中心として世界が回っているようで、ぼくはほんとうに反吐が出そうだ。それなのに君はいつも笑っている。にこにこ、へらへら。だから嫌いなんだよ。
特に夏の君は嫌いだ。いつも以上にエネルギーが溢れていて、直視することも叶わない。白いカッターシャツの袖から伸びる、少し焼けたその細い腕をへし折ってやりたくなる。
冬になるとみんなさらに君の周りにへばりつく。やめろ、離れろよ、ぼくからあの子が見えなくなるだろ。
ぼくは本当に君のことが心の底から大嫌いだ。それなのに今日も君は、そんなぼくにもキラキラした笑顔を向けてくる。そういうところが本当に嫌いで仕方がないんだよ。

8/7/2023, 9:22:12 AM