お題:ごめんね
私が小学生だった時、不登校の男の子がいた。
自分から来ないのではなくて、父親が何故か学校に行かせなかった。
先生はやる気のある先生だったらしく、クラスのみんなと一緒にその子の家に迎えに行ったりしてた。
そんな活動が功を奏したのか、その子が学校に来はじめるようになった。
その時、私はその子の隣の席だったので、安っぽい正義感を出して、その子のフォローをするようになった。
その子もそれが嬉しかったらしくて、私と話すようになった。
その子はしばらく学校に来ていて、私と話してたんだけど、ずーっと話してて、授業中もずっとこちらに話しかけてた。
私はまだその時は優等生みたいな感じだったので、先生の話を聞かなきゃ、って思って、その子に「先生の話、聞こ?今授業中やし」と言ったんだよね。
その次の日から、その子は学校に来なくなった。
理由はわからない。私の一言かもしれないし、お父さんがまた学校に行くのを止めてたのかもしれない。
そのまま、その子が学校に来ることはなかった。
もし「ごめんね」って言いたい人がいるなら、その子なんだよなあ。
でも、ごめんねって言いたい理由が、私がスッキリしたいだけなんだよね、多分。
だから、私はごめんねっていう言葉を飲み込んだまま、今日も生きていく。
5/29/2024, 11:41:01 AM