日月

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ふわっと香った白檀の香り
記憶は根強く香りと共に呼び起こされる
高瀬川の水の匂いがして、桜が散る頃を思い出す
初夏、古い町屋で窓を全開にして白檀を焚き
ただボーっと一緒に空を眺めている時間
貴方のギターをかっさらい詩った青葉市子
ふたばの大福買ってきて
口を真っ白にして大笑いして
あの町屋の古い匂いが
一緒に感じた時間の流れが
時折思い出しては儚さを感じている
私にとって長くて儚すぎる、時間だった
私は其の地を離れたけれど
いつか訪れた時
きっとまた思い出してしまうのだろうか
あの時間は私にとって特別だったのだ
そっと、そっと、優しく包むように胸の箱の奥に終う

#本気の恋

9/13/2023, 2:22:02 AM