六花

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桜散る夜は、宴を開く。
満月の夜には酒を。散りゆく桜吹雪を。
昼間は明るく、美しい桜。
だが夜には儚く散ってゆく美しい桜となる。

『桜の木の下には死体が埋まっている』
そんなことを聞いたことがある。
この言葉はとある短編小説の冒頭の言葉である。

とても綺麗で、美しい桜の木。
その見事な桜が咲く理由は、
"桜の木の下に死体が埋まっているから"
と考えている主人公。

『生』の真っ盛りの桜に、『死』を重ね合せて、
神秘という不安から主人公は解放され自由になる。
そんな考えを書き記された短編小説がある。

この有名な、
『桜の木の下には死体が埋まっている』
という言葉はこの小説が元になっている。

"桜の木の下に埋まる死体"

この事を考えながら夜、桜を眺めていると、
散っていく桜が、桜の木の下に埋まっているかもしれない死体が、
天へと還って逝くように感じられる。

そう考えると僕達は今、
桜の木の下に居るので、
誰かの死体の上で宴を開いている。

皆さんはこの言葉を聞いて、どう感じましたか?
散っていく桜をどう思われますか?



お題〚桜散る〛

4/17/2023, 2:57:41 PM