テーマ:放課後
ただでさえ冷たい風が私の耳を突き刺すかのごとく吹いていく。
手はかじかみ、白い肌が周りの雪に溶けて消えてしまいそうだ。
雪が深々と降るなかを傘を指しながら長靴のザクザクとした音を鳴らし、歩いていく。
少し感傷に浸っていたところでいきなり突風が吹き、思わず巻いていたマフラーをギュッと握る。痛い。
転校して初めてできた友人と放課後に遊ぶのだと張り切っていたが、あいにくの天気で延期にしようと言われてしまった。
東京とは違う北海道の凍てつく寒さに凍えながら、わたしのこころを模したかのように思えてしまう、酷く冷たい雪に、あるきながら寂しさを溢していく。
雪はいつか溶ける。私の心もいつか溶けるのだ。
そう思い、早くこの雪がなくなるようにと願って悔し涙を一つ流した。
10/13/2022, 5:54:02 AM