晴天の日、太陽は眠りに就き、代わりに巨大な鏡が金色の薄明りを齎す。
そこに無数の光の砂粒が、大小様々な絵画を描く。
……それをじっくり鑑賞していれば、聞きなれた声。
「今夜も見ているのか」
やはり見知った人だった。
「もちろん」
「よく飽きないな」
「飽きるはずもないよ」
「そうかい」
そいつは傍まで歩いて来て、言葉を続けた。
「やはり宙には行かないのか」
「行かないね」
「今きみが見ているものが、もっと近くで見られるんだぞ」
「そうだね」
「・・・・・・あの人だって、見つけられるかもしれない」
はた、と。気付き。
確かに、宙にいるあの人を——あの砂粒達の、どこかにいる筈の——
——ああ、けど、やはり。
「いや、いい」
「何故?」
単純な事。
「わたしは、ここから見る景色が好きなんだ」
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星空の下で
4/5/2023, 11:58:25 AM