四季猫イグサ

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今日のお題。優越感、劣等感。


あの時の劣等感を覚えている

机の上のぐちゃぐちゃトランプと、手の中に残ったジョーカー。沸騰するような怒りと、熱くなる目頭。
嬉しくもなんともなさそうに、「つまらない」と言ったあの人。行き場のない想いを掻き消すように、
私はトランプを片づけた。


だからこの空間を守りたい。

ニヤニヤと笑っている私と、喜んでいるあなた。机の上のぐちゃぐちゃトランプと、手の中に残ったジョーカー。
やっぱり心の中は、劣等感と優越感、きっとその2つそれぞれなのだろう。でも私は笑っている。
あなたが笑っているから。面白かったと思っているから。その感覚を噛み締めるように、私はトランプを片づけた。



あの優越感を知っている

手の中に残った狼と、勝利を告げたゲームマスター。怒りそうなあの人達と、呆気にとられる外野。
ゾクゾクするような快感と、少し歪んだ私の表情。これが優越感だろうかと考えながら、私は皆に片付けを呼びかけた。


だけどこの感覚は違うだろうか。

悔しそうなあなた達と、それでも聞こえる賞賛の言葉。手の中に残った狼と、勝利を告げたゲームマスター。
やっぱり心の中は劣等感と優越感、きっと2つそれぞれしかなり得ないのだろう。だから私は笑っている。
温かい感覚が残っている。跳ねるような喜びがある。これも優越感かと実感しながら、私は皆に片付けを呼びかけた。

7/13/2024, 2:10:12 PM