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─「そなたに、力を授ける。
その力で、人々を救うのだ。」─

それを聞いた時の、俺の素直な反応を伝えよう。

「・・・は?」
きっちり三秒経った後の一言だった。
夢でも見ているのだろうと思おうとしても、ここは東京。
人々が忙しなく行き交う交差点のど真ん中だ。
白昼夢か?
とにかく、厄介事に巻き込まれるのはごめんだ。
俺は空に浮かぶバカでかい神様とやらに背を向けて、バイト先を目指した。
バイトをしているうちに、神様騒動はすっかり頭から抜け落ち、日付が変わる頃に家に着いた俺は、風呂に入る気力もなく、そのまま布団に倒れ込んだ。
……眠い。
間もなく深い眠りについた俺は、知る由もなかった。
昼間の神様が俺の家に来て、俺の身体に力を注ぎ込んでいるなんて…。

力尽きたんでここまで

7/27/2022, 3:29:32 PM