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風が心地いい春、ゆるはやかに流れる川、町へ飛ばされる葉っぱ、元気に遊ぶ子供たち、何もかもが当たり前だった日常。そんな日常が壊されたある日を境に…。これは私鈴瀬楓の物語である。
「かえ姉!起きて!!これみてこれ!すごいでしょ!! 」
「ん?どうした?空?」
「あのね、今日ね、うたちゃんと作ったの!!くのひもうたちゃんがねゆう兄に作るからって教えて貰ったの!!だからかえ姉にあげる!僕と一緒」
「組み紐ね!くみひも!!柚太ん家行ったん?楽しかった?」ゆう兄とは柚太のことだ。ちなみに空は年長さんである。楓と柚太は中学3年生。だ。
空と詩ちゃんは幼なじみ、詩ちゃんと柚太は兄妹になる。ちなみに楓たちも幼なじみだ。受験生である楓だが可愛い弟のためなら時間を惜しまないが、睡魔には勝てない。このまま夢の中に入れたら良かったのに…。
「かえで、楓」
「んっ?あれ楓寝てた?」
「ぐっすりな、」
「まじか!!今何時!?」
「7時すぎだな」
「うっそ!空は?」
「詩と遊んでるで」
「そっか、遊んでるんや、良かった〜。ん?柚太それ」
「ん?あーこれ?詩と空につけられたやつな。…いかにも似合ってないとでも言いたそうな顔やな。」
「パチン」
「いったぁーデコピンやめてや!痛いやん!!」
「痛とーなかったら意味ないやろ!
それに、こうでもせんとと起きへんやろ」
「ごもっとも…
「せやけどデコピンはないやろ?!楓だって女子なんやで!!」
「残念。俺は楓を女子として見た事は一度もないやわ
せやかて俺らはそれ以上でも以下でもなく幼なじみやん?」
「そーやんな…」
「何もしかして俺の事そんな目で…w」
「んなわけないやんか!」
「どーどー落ち着け〜深呼吸ースーハー」
「って何やらせてん!!」
「wwほんと昔っから変わらんな!」
「からかわんといてよね!」
「…」「……」
「まだ落ち着かんの?」
「まぁ…急やったし。いろいろ整理付けんといかんのやけど…」

3/6/2023, 1:33:18 PM