思い出の漫画

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嵐が来ようとも君に逢いに行くと誓うよ。
神にでもなんでもね。
嵐の日に死んだ僕。
この言葉を云ってくれるのは誰だろう。
嵐の日にしか出歩けない幽霊になった。
出歩けない日は声をかけてくれる人が来る。
でも、僕は目が見えない。
だから、分からないんだ。
僕には身内も知り合いも友達も居ない。
大切な人は皆僕より先に死んだ。
今日は嵐の日。
目が見えないけど出歩く。
嵐の日は誰もいないからぶつかる心配がない。
……と思っていたのだけどぶつかったみたい。
「おっと、ごめん…」
精一杯の身振りをしてるけど伝わってる?
言葉を声に出すのは苦手です。
書くのは好きだけど目が見えないので無効化。
「あれ?君、教会にいる子?」
ん?僕のこと知ってるみたい。
めっちゃ頷く。
「やっぱり、嵐の日だから逢いに来てみた。」
あの声は君?って聞きたいけどどうする僕。
………沈黙が続いていて凄く気まづい…
「あ、あの…声、が、聞こえて…その…」
は〜い、やらかした〜応答がない〜死にたい。
「あ、憶えてるんだ!声に出しずらかった?」
待って、凄い優しくて泣きそう。
僕に涙って存在するのかな…そもそも…
「風、強い────、中に入ろう?家みたい────君の。違────ね。」
風が強くて何云ってるか、聞き取りにくい…
ここは、手を引っ張るしかないか…手を腕を…
「うお、手か!ほい」
差し出してくれた、よし!
……掴めた、掴めたけど、ドアどこ?
「……うわぁ!」
めっちゃコケた、勢い余りすぎた…
「あ、ごめん。ドア開けたらいいのかと思って…マジでごめん。」
背景 これを見てくれている何方かへ
僕は今、恥ずかしさとお礼の気持ちでいっぱいです。助けてください。

「──おい、成仏ってはえぇよ!おい…俺も独りだよ…今まで楽しかったよ、ありがとう。」

教会に入ってから、だいぶ時間が経ったかな。
あの子の名前、聞けなかったな…

一旦おやすみーーー!!!

7/29/2024, 10:01:10 AM