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君と見上げる月…🌛

ひぐらしが鳴いている いつもの帰り道。
街が見渡せるこの住宅地は夕焼けが綺麗に見える。
「今日は夕焼けが綺麗に見えるなあ。こんな日は誰かと一緒に見たかったな。」
坂道を登り、自分の家まで歩いていく。

「はぁ疲れた」
家について、冷蔵庫のドアを開けると レモネードが入っていた。
「ラッキー🎵」
ペットボトルの蓋を開け、コップに移すと シュワシュワと音を立て 透明の泡が踊っている。
「ごくごく あー美味しい!」

テレビを見てダラダラと過ごす。
窓の外を見ると紺色の空が広がっていた。

「…こちらは今現地で流行っている砂漠ツアーです」とニュースでは 砂漠のツアーの紹介をしていた。
ラクダに乗って2日間歩き星空を観測するというものだった。
そこからみる夜空は絶景だと紹介されていた。
テレビに砂漠の夜空が映る…
満点の星空に輝く月…
圧巻だった。
「…うわーとても綺麗ですね〰️!」
現地リポーターが感激している。
ツアーに参加している方がインタビューされていた。
「…なぜあなたはこちらのツアーに参加されたのですか?」
少し涙を浮かべながら満点の星空を見つめるその人は、ゆっくりと話した。
「ツアーに参加したのは満点の星空を見るとある方を思い出すからです。 ずっとその人を思い続けているんです… また会えるといいなって… 星空を見ると落ち着くんです。」
そういうと ポロッと涙を落としていた。
「…素敵な出会いがあったのですね。また会えるといいですね。本当に星空が綺麗ですね。」
現地リポーターが話していた。

わたしは少しぼーっと聞き入ってしまった。

「…次のニュースです」
ツアーの紹介は終わり、いつものニュースに戻った。

なんだか夜空を見上げたくなった。
窓を開けベランダの外に出て、夜空を見上げる。
そこには、数えるほどの星しか無かったけれど、
大きな三日月が輝いていた。
「…あの人が思い出す人は どんな人なのだろう?」
そんなことを考えながら、月をみていた。




9/14/2025, 2:52:36 PM