ただ、必死に走る私。何かから逃げるように。急げ、急げ、走らなきゃ。苦しくても、辛くても。どうしてそんなに走るのかって?だって、後ろから追いかけてくる。誰かの視線が、揶揄する言葉が。あいつはダメだ、怠けてるって、たくさんの見知らぬ顔が、剣や槍を構えてこちらに迫ってくる。走るのをやめたらきっと、私は刺されて死んでしまう。それならば走り疲れて死ぬか、自ら命を絶つほうがいい。そう思いながら、今日もまた必死に走る。何処へともなく。
5/30/2023, 2:10:17 PM