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テーマ:束の間の休息

忙しい日々にもみくちゃにされて。慌ただしい、少しだけ余裕のなくなってしまった心に、温かいココアを一杯。

ほんのりと香る砂糖とココアパウダーの苦味が口から広がって私の体に優しく染み渡っていく。


少し、昔のことを思い出した。


幼い頃私は牛乳が苦手で「学校で飲んでいるのだから家では絶対に飲まない」と宣言したこともあるほどだった。

そんなときに母が栄養不足を心配して作ってくれたのがココアだった。

母はココアみたいな人だった。
心に寄り添ってくれるような適温の、ココア独特の柔らかさが心地よかった。

コーヒーや紅茶のような香りの強いものではなく、少し子供っぽさを感じさせる甘い、甘いココア。

私の心にはいつも、母が牛乳で溶かしたココアを用意して実家の四人掛けのテーブルで待っている。

10/9/2022, 1:27:26 AM