山田紅輔

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何となく生きてきた。何不自由なく。
普通の家庭で、普通の人として。
だが、成長するにつれて気付く。
それまでのレンズが割れていく。
明るく柔らかな世界から一変し、暗く鋭い景色ばかりが広がっている。
中学、高校生になれば、熱い友情、甘く切ない初恋、
挙げればきりがない夢のような毎日が待っていると。
しかし、
今日に至るまでそのようなものを手に入れることは
なかった。
唯今日も無為に日々を消化するばかりである。
あゝ、かつての自分よ。
気づけ。動け。覚醒めろ。
お前でも出来る。

5/19/2024, 7:51:43 AM