幼い頃、俺がまだ幼稚園生くらいだった頃によく親父に連れられて公園のブランコに乗って遊んだ。
俺は自分で上手に漕げなくて、何度も背中を押してもらった。
「もっと、もっとたかくー。」そう言って何度も何度も背中を押してもらった。
そう言えば、大学受験や就職活動の時もそうだった。
「自分のやりたい事をとにかくやるだけやってみろ。」
お陰で俺はやりたかったモノ作りの研究、開発の仕事に就くことができた。
だけど、親父はもういない。
三年前に膵臓癌の闘病の末、他界した。
人生に行き詰まることは誰にでもある。
そんな時、俺は親父の言葉を思い出す。
「やるだけやってみろ。」
それでも、やっぱり無理な時は公園のブランコを夢中で漕ぐ。
つま先が天に届きそうな時、親父の笑う声がきこえる。
やるだけやってみろ
2/2/2024, 5:33:56 AM