ななしのみさき

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 このクラスにあなたがいたから、クラスの子に悪口を言われても学校に行ってみようって思えた。
 わたしに友達がいなくても、あなたに恋人ができても、あなたがいることが幸せで、あなたを遠くから見れるだけでよかった。
 あなたが悪口を言われていると、少し嫌な気持ちになった。あなたと付き合っているくせに悪口を言うあの子が嫌いだった。惚気なんだろうけど、大きな声で話すあの子が羨ましくて嫌いになった。
 あなたがいたから、人を好きになる気持ちも、人を嫌いになる気持ちも知れた。本当に感謝してる。

 今日、あなたとあの子が結婚したって知った。連絡先とか誰のやつも知らないから、私が知ったのは、結婚式から一年が経とうとした頃。遅い。遅いよね、今更涙が出てきてさ、もう箱ティッシュなくなる勢いで泣いた。まぁなくなりはしなかったんだけどね。ただ、まだ未練あったんだって思うとなんか笑えてきて、なんかみんな結婚してるらしいね。当時のクラスメイトで結婚してないの、わたし合わせても右手越えるか越えないかぐらいだって。まだ二十代後半なのに、みんな早いね。流石田舎。あーあ、結婚したい。でも、仕事しないと生活できないし、仕事辞められないし、そもそも、わたしバリキャリだし。地元の大学に行った人たちの中で一番頭のいい大学卒だし、高卒率高いし、住む世界が違うし。まぁ、どっちが幸せかなんてわかんないけどね。

 まぁなにが言いたいかって言うと、あんたが好きだったわたしがわたしは好きだったの。だから、感謝してるのは本当。本当にありがとう。あなたがいたから、今のわたしがあると思う。わたしだって、そこそこ幸せだし。夢だった職業につけて、都会でバリバリ働いて、出世コースとか言われてるし。本当、あんたがいてよかった。幸せんなれよ、一年遅いけど。

6/20/2023, 2:35:05 PM