意味がないこと
ねえ、選挙行った?
行かな〜い。面倒くさいし。どうせ意味ないし。世の中変わらないし。
行ったほうがいいのに。
なんで?なんで?教えて。チョコパフェ、一口あげるから。
よし、じゃあ教えてあげる。その前にひとつ質問ね。国政選挙は誰が戦っているでしょうか。
……いやいや、流石にその質問はしつれーでしょ。政治家に決まってるじゃん。
それだけ?
ほか、誰かいるっけ?あ、タレント?選挙特番の。どっちが目立ったか、みたいな。
それはどうでもいいです。じゃあ解説します。これをみて。
これは?
世代別の投票率です。面倒くさいから、見て欲しいところ、もう私が言っちゃうけど、1番高いのは70代で、1番低いのは20代なの。わかる?こことここ。
ああ、これね。
だいたいだけどさ、2倍ぐらい違うよね。
みたいだね。
するとね、これを見た国会議員たちはどう思うかな?
どうって。70代がいっぱい投票してるなあって。
うん。ってことは?
ってことは?……なに?なんなの?
70代の人たちに好かれる政策をしたほうがいいなあって考えるんじゃない?
まあ、そうだよね。私が総理大臣でもそうする。
ってことは?20代の人たちがして欲しい政策は?例えば、お給料とか、教育費とか。
そりゃ、ごめんなさいってなるでしょ。あっ。
そう、そうなの。そこで最初に聞いた質問ね。国政選挙は誰と誰が戦っているか。
20代と70代?
うん。もう少しおおまかにいうと、若い世代と高齢者世代ってことかな。もう一回確認するけど、国会議員のことじゃないよ。一般の国民の、若い世代と高齢者世代が戦ってるってことね。
ふうん。でもなんか、戦うって言われてもあたし、戦ったつもりないんだけど。
まあ、投票してないからね。戦うっていうと分かりづらいかな。要するに、どっち、いや、どの世代が、国会議員たちに好かれるかのアピールの戦いってこと。
ふむ。
もしね、今回の選挙で20代の投票率が90%ぐらいの高い投票率だったとするよ。
うん。
そしたらさ、残りの人生、50年?60年?70年?ずっと、どの世代よりも国会議員たちに大事にしてもらえるんじゃない?だって自分に1番、票をくれる世代なんだから。
ああ、そっかぁ。そういうことなんだ。
うん。だからね、ちょっと見方を変えてみようよ。国政選挙はね、誰を国会議員にしてあげるか、だけじゃなくて、他の世代よりもわたしたちの世代を1番大事にして、っていう意味もあるんだって。実はわたしたちも戦ってるんだって。
なるほどね~。あたしの一票は意味がないことじゃなくて、実は戦いたかったんだね。そう思うと、もったいないことしたなあ。戦わずして負け。不戦敗か。これはあたしの流儀に反するな。いかん、いかん。
よし、じゃあ次の選挙は一緒に行こう。
うん。今日の話はためになった。お礼にいちごパフェもおごっちゃる。
ありがたき幸せ。遠慮なくいただくでござる。
11/8/2024, 12:43:12 PM