いぶりがっこ

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 雪は足の踏み場だ。

 冬場、道を歩かなくてはならないとき。踏みしめるべきは雪のないアスファルトではない。雪の上だ。

 うっすら氷の張った道路のなんと滑りやすいこと。しりもちをついたときは、痛さより恥ずかしさにいたたまれなくなる。

 だから私は雪をかき分け、ざくざく歩く。目が白さにやられて色味がおかしくなろうと。
 そして絶望する。同じことを考えた人や自動車によって、すっかり踏み固められカチカチになった雪に。

 こうなったら信じられるのは己の体幹だけ。せめて転ぶなら、誰の目にもつかないところで。

1/7/2024, 1:47:51 PM